▼Q16.中学生には体力面、筋力面から考えて、
どれくらいの負担がかけられるか。 (バスケット)
Q17.中学生に多い障害との種類とそれを予防
するための指導法。
Q18.スポーツ障害を予防する上で、中学生期の
練習時間(期間)と休養について。
A:スポーツ障害は使い過ぎ症候群と言われるように使い過ぎが原因です。
一口に使い過ぎが原因といっても、成長期の子供は同じ年齢でも成長の段階がそれ
ぞれ異なっています。つまり個人差があるというわけです。しかしながら、各々の子
供の成長段階を知る手段はX線検査を行うしかなく、事前に成長段階を知ることは困
難なことです。同じ年齢だからといって同じ練習量を消化させることは非常に危険な
のです。ですから中学生には体力面、筋力面から考えて、どれくらいの負担がかけら
れるかは個々の成長に合わせるしかありません。しかし中学生のクラブ活動などでは
全体的な練習が多く、一人ずつ運動メニューをつくって練習するのは難しいでしょう
。そこで大切なのは、子供が感じる危険信号をいかに早く知るかということだと思い
ます。しかし子供は多少の痛みを感じても、先生や監督、コーチに話せないことが多
いのではないでしょうか。せっかくレギュラーを目前にしているのに、痛みを訴えた
ためにそのチャンスがなくなるかもしれないといったように、成長期はスポーツ活動
が精神身体発育にプラスに働く反面、いったんスポーツ障害を発症すると慢性になり
やすいマイナス面を併せもっています。
痛みを早いうちにキャッチできるような環境を作ることが、一番大切な予防法とい
えるでしょう。痛みの発見が早ければ早いほど休養する時間も短くなり、慢性化を防
げるということになります。
ここで中学生に多いスポーツ障害を示します。
肩〜野球肩
肘〜野球肘
腰〜腰痛症、腰椎分離症、骨盤骨端炎
膝〜膝痛、オスグッド・シュラッテル病、ヒダ障害(内側)
下腿、足関節、足部〜脛骨過労性骨障害、足関節痛
これらの障害を予防するには、それぞれのスポーツに応じた練習内容、練習場所、
環境条件、用具、器具などを適切に選ぶこと、そして個々の疾患を理解することの他
、中学生においては、やはり個人の成長段階が非常にウエイトを占めているところで
す。いち早く危険信号に気づいてやることが、最も適切なスポーツ障害の予防法と思
われます。