スポーツ医学に関する質問

▼Q25.身体の成長期において、より大きくかつ頑丈に

なるための効果的なトレーニングと効果的補助食品(プロ

テイン、カルシウム)の取り方について。

A:希な例をのぞいて、個人の体型体格は親よりの遺伝によってほぼ決まると考えら

れる。

しかし成長期において適切な栄養の摂取と身体を鍛練することによって、その個人

の最大限に近い身体の発達をもたらすことは可能と思われる。質問をそのためのトレ

ーニングは…栄養摂取は…?と理解して答えてみたい。個人の体力や順応性には各々

差があり千差万別であるので一概にそのトレーニング方法を論ずることは出来ないし

、又目的とするトレーニングの種類や色々なスポーツ活動によっても当然その方法は

異なってくるので、ここでは極く一般的な概説について述べるにとどめたい。

トレーニングの面で留意すべき点は、まず第1に個人の体力やその目的に適合した

トレーニングを選ぶことであり、第2としては毎日継続して行うこと、継続による積

み重ねによってはじめてその効果が出現するのである。第3にはそのトレーニングに

体力が順応し次第、トレーニングの量(強度と時間の負荷)を漸増させてゆくことで

ある。日を追って順次負荷を増大することに対しては、体はそれに順応出来る可成り

の潜在力を有している。しかし反面余り過剰になったり疲労が翌日にまで持ち越され

蓄積される様なことが継続するようにになれば、いずれ身体や運動器官の障害を惹起

する等トレーニングのマイナス面が出現することになるので注意が必要である。トレ

ーニングやスポーツは身体活動を盛んにすることであり、エネルギー代謝の亢進と理

解される。だからエネルギー源になる栄養素の摂取には十分配慮しなければならない

。云うまでもなく栄養素はエネルギーの供給源としての役割があり、これは糖質、脂

質および蛋白質が関与するし、運動に関与する器官の構築素材の供給源としては蛋白

質及び無機質が関わり、代謝の円滑化のためビタミン、一部の無機質が関与する。以

上のことから活動量に対応したバランスの取れた栄養素の摂取が必要となる。又激し

いトレーニングを伴うものには筋肉細胞の急速な肥大に対応し、1日体重・当り2gと

いう大量の蛋白質の摂取が必要といわれる。一方持久力的トレーニングに対しては高

糖値が重視される。従って配慮すべきは各必須栄養素の摂取量が必要量を下回らない

ようにすることである。一方骨は20才前後までにその量が最大量に達するといわれて

おり、適当な運動による骨への刺激が骨量を増やすと共に骨を強大にするためにはカ

ルシウムの多い乳製品や魚などビタミンDの多く含んだものを良く摂取する。ただ余

りカルシウムを過度に摂ると尿路結石になることもあり、1日1500・以内にとどめて

おくべきである。いずれにせよ栄養素はあくまでもバランス良く摂取しなければなら

ず、そのための目安として1日30食品をとることが勧められているのでこの点は厳守

するべきであると思う。トレーニングの増強によるエネルギー充足のためには、脂肪

の上手な利用や間食の合理的利用などが重要となる。そしてスポーツ飲料材や栄養補

助食品は全体的栄養摂取計画の中に組み込むべき性質のものであり、無原則な依存は

避けるべきであろう。

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