スポーツ医学に関する質問

▼Q4.腰痛を防ぐための背筋力強化法。 (相撲)

A:腰痛を防ぐためには、練習前後のストレッチングなどのウォームアップや、クー

ルダウンを十分におこなう。練習中の汗は合間によく拭き、体を冷やさない。腰痛の

ある者は朝晩腰痛体操をする。急性期には痛みのでる運動は中止する。練習後には入

浴し、体をほぐし、翌日の練習に疲労を残さないようにすることが大事。腰痛に対し

て腹筋と背筋訓練のどちらに重点をおくかについては一致した見解はないが、バラン

スのとれた脊柱を維持するためには両者の訓練が必要。腰椎前弯の増強は腰痛の原因

となる。腰椎前弯の増強姿勢をとるようなスポーツでは特に腹筋の強化は大事。腹筋

は意図的に強化しないと背筋と違って通常のスポーツ活動では向上しない。等尺性腹

筋強化としてまず仰臥位となり、膝関節を約90度、股関節を45度屈曲させ、この安静

位から体幹を徐々に挙上させ、約45度の位置でその姿勢を5秒間保持させる。その後

体幹を床まで戻す。この一連の運動を1セットとしておこなう。この時頸椎は最大前

屈位とする。全可動域にわたり腹筋群が活動し強化する方法として、股関節90度、膝

関節90度屈曲位での上体起こし運動がある。従来言われているような、膝関節伸展位

、足関節支持の上体起こしは腰部障害を来し不適当である。等尺性背筋強化として、

腹臥位となり、このとき下腹部に枕を置き骨盤の後傾をはかる。この位置から体幹を

約30cm徐々に挙上して、その位置を約5秒間保持する。その後再び安静腹臥位に戻す

。頸椎は最大前屈位とする。その他腹筋強化として、腹臥位で足を保持しておいて上

体を25度程度起こす、あるいは顔をゆかにつけたままで両下肢を約25度挙げる方法が

ある。

 

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