▼Q43.成長期に多い膝関節痛の予防と治療
について。 (ソフトテニス)
A:ランニングによる膝障害(膝蓋軟骨軟化症、腸脛靭帯炎、膝蓋靭帯炎、半月板損
傷等)の予防として、1週間の走行距離は50Km前後以下とする。1週間のうち3日に
1日は休む。走り方は踵からの自然着地が望ましい。ランニングでは大腿屈筋、下腿
三頭筋、足底筋膜、四頭筋の柔軟性と、四頭筋、前脛骨筋の筋力が大事。柔軟性を保
つにはランニング前後にストレッチングを20〜30秒を1回として最低3〜5回はおこ
なう。シューズについては衝撃吸収性、コントロール性に優れたシューズを履くこと
。足底の摩耗は早めに補修する。芝生や土などの着地時の衝撃が小さい路面を走るの
が望ましい。ジャンパー膝の治療はまず大腿四頭筋とハムストリングのストレッチン
グと筋力強化が重要。軽い場合はこれで治る。運動後はアイスマッサージを10〜15分
おこなう。
オスグッド・シュラッテル病は保存的治療が主体であるが、運動選手の慢性の障害
に対しては安易な安静の指導はよくない。患者の現在、将来のスポーツ活動の状況を
把握の上で治療をおこなう。第1度(スポーツ活動後に痛みあり)は四頭筋ストレッ
チング、アイスマッサージ、2度(スポーツ活動中や後に痛みあり)はストレッチン
グ、スポーツの禁止(2週)、ストラップの装着、アイスマッサージ、外用消炎剤、
3度(スポーツに支障あり、自発痛あり)はスポーツ禁止、ストラップ、膝伸展位装
具、アイスマッサージ、外用消炎剤、経口消炎剤、局麻剤注射、手術療法などをおこ
なう。
腸脛靭帯炎は腸脛靭帯が膝の屈伸で外側上顆を摩擦して炎症が生じると考えられて
いる。シューズの外側の摩耗は靭帯の緊張を強めるため補修する。ランニングの中止
と消炎剤の塗布、腸脛靭帯のストレッチングをおこなう。
膝蓋軟骨軟化症(ランナ−ズニ−)に対しては走行距離をへらす、膝蓋骨用サポー
ター、足底版や四頭筋のストレッチングをおこなう。
有痛性分裂膝蓋骨に対しては休養と四頭筋のストレッチングをおこなう。症状とれ
なければ手術。
半月板損傷に対しては鏡視下切除をおこなう。