スポーツ医学に関する質問

▼Q55.サッカーでの傷の処置法。

A:「サッカ−での傷の処置法」という質問であるが、質問の主旨がよくわからない

ので、創面をもつ損傷の一般的な処置法について述べることにする。何故ならば、ス

ポ−ツに特有の損傷というものはなく、スポ−ツとの関連性を求めるならば、種目と

部位別発生頻度に関連を認めるに過ぎない。

創面をもつ損傷、すなわち創傷が治癒するのは、生体には生体防衛反応の1つとし

ての修復機構が備わっているからである。創傷治癒もその1つであるが創傷の治療に

当たっては、自ら備わっている治癒機転を促進し阻害しないことが重要である。

創傷に対する局所ケアのポイントを挙げれば

1.創の洗浄化(洗浄、毛髪の除去、消毒)

2.止血(指圧圧迫法、縛止血法、圧迫包帯)

3.異物の除去(土砂、ガラス片)

4.縫合などによる修復

5.感染防御(抗生剤、破傷風トキソイド)

6.安静

7.機能、形状の回復、美容上の注意

などとなるが、4以下は専門医の領域であり、医師以外でもできる初期治療は3ま

でであろう。スポ−ツは戸外で行われる場合が多いので、土砂に汚染されやすい。そ

のまま放置すると感染の危険があるばかりでなく、擦過傷のような皮膚だけの損傷で

も土砂が新生肉芽組織に埋没して刺青のような後遺症を残すことになる。したがって

創面の異物は可及的速やかに、ガ−ゼなどを使用して流水で洗浄する必要がある。

又受傷直後創面に軟膏剤を塗布することは、嫌気性菌の温床になり易い。従って創

面消毒後は、乾ガ−ゼをあてて包帯を巻く程度で良い。受傷後12時間までを外科医は

ゴ−ルデンアワ−と呼んでいるが、この時間までは感染が成立していないので、その

間に万全の対応を行うべきであろう。

 

戻る