Q61.ケガ、やけどなどのあたり前な事故にたいする対応
の仕方を知りたい。(山岳)
Q62.擦過傷、ねんざ等の応急処置について。(自転車競技)
Q63.捻挫を起こしたときのRICE処置以外の手当法。(バスケット)
A1:外傷:患者に意識がなく呼吸障害があれば、舌根沈下か血液・分泌物によって
気道が閉塞されるおそれがある。舌顎を持ち上げ、頭部を後屈させ、舌を前に引き出
して、気道を確保する。
開放創のある場合は清潔な布を厚く重ね創部をおおい、その上から包帯を巻いて創
面を確保する。同時に出血に対しては、指先または手掌で圧迫して挙上して止血する
。さらにその上から損傷部が動かないように副子を用いて固定する。ショックの予防
的処置として、頭は少し低くして寝かせ、安静に保ちながら保温に努める。
骨折の救急固定法として、原則は骨折をはさむ近位、遠位の2つの関節を固定する
こと。副子がない場合は厚紙や木片あるいは下肢では腱側の下肢、上肢では体幹に固
定したりする方法がある。
火傷:熱傷の範囲診断は9の法則が簡便。一側上肢が9%、一側下肢が18%、背中
が18%、前胸腹部が18%、頭部が9%と理解しておく。熱傷の分類(Boyer)は1度
表皮熱傷、2度真皮熱傷、3度全層熱傷。受傷後できるだけ早く局所を冷却する。水
道水により冷却を開始する。四肢であればアイスボックスにつけてもよい。熱傷の範
囲、患者の状態に応じて直ちに専門医を受診する。
A2:捻挫の初期治療としてはRICEが大切である。Restであるが、安静とはただ
寝ているだけを意味するものではなく、関節固定(副木などを当てる)場合によって
は関節への圧迫を弱めるために牽引も安静にはいります。
副木などを当てる。例えばスキーではストックが使われるし、アイスホッケーでは
ステックを、また応急的には板で代用してもよい。
また出血を伴うような時には創に清潔なガーゼなど当て手掌で傷を圧迫するのが良
く、四肢の中枢側をテープや紐などで縛るのは好ましくない。
また冷却する際には皮下組織の厚さの考慮や、冷却アレルギーに注意が必要である。