スポーツ医学に関する質問

▼Q70.骨を強くする(障害を防ぐための)食事。

(ソフトボール)

A:疲労骨折の発生要因としての骨密度が注目され、女子および男子長距離ランナー

において、それぞれ低エステロゲン血症、低テストステロン血症を伴う骨密度の低下

が報告されている。その背景としては近年各競技とも専門的なトレーニングの開始が

若年齢化し、思春期における正常な骨塩量の獲得が損なわれていることも指摘されて

いる。また不適切な栄養管理も障害をおこりやすくするであろう。

カルシウムの摂取量を増やすと骨が強くなるという単純な問題ではないが、スポー

ツに伴う発汗で喪失する量を補充することは妥当と考えられる。汗中のミネラル濃度

には大きな個人差があるが、1日3リットルの発汗でカルシウム約 200・を喪失する

と仮定すると、腸からの呼吸率を50%として約 400・の摂取を1日の維持量に加算す

る必要がある。一般成人の1日所要量を約 600・とすると、合計1000・の摂取が必要

となる。牛乳 200g中にはカルシウム 200・が含まれる。他に小魚、小えび、アミ類

にカルシウムの含有が多い。

参考:例えば、暑熱環境下でのサッカーの1ゲームでは4リットル以上の発汗をみ

ることがある。極端な状況下では10リットルの発汗量に達することもある。競技およ

び練習前後の体重測定を習慣にしておいて、水分、ミネラルの補給を心がけるのが望

ましい。

戻る