スポーツ医学に関する質問

Q72.食事(栄養)の取り方とスポーツマンのからだについて。

(ラクビー)

トレーニング期間におけるスポーツマンの食事の取り方として

A:基本原則は日毎に消費するエネルギーと栄養素をバランスよく補給すること。

また発育期においては身体組成の成長に見合う補給を加算することである。食品の

選択については厚生省指針の1日30種類、6つの食品群の考え方を参考にすること。

@運動選手は一般人に比しエネルギーおよび栄養素の所要量は大きい。20才男子の日

常生活の1日平均エネルギー消費量を2200Kcalとすると、卓球・バトミントン・剣

道などでは30%増しの約3000Kcal、陸上競技・野球・バレーボール・バスケットボ

ール・柔道などでは60%増しの約3500Kcal、水泳・マラソン・サッカー・レスリン

グ・自転車ロードなどでは80%増しの約4000Kcalが目安となる。しかし脂質の過剰

摂取は不都合であり、スナック菓子などのempty foodは避けるべきである。

A蛋白質についてはエネルギー所要量 500Kcalの増加当り蛋白質 0.2g/・/日を

標準量に追加して摂取することが望ましいとされる。

1970年の古い報告を根拠にして1日のエネルギー所要量が4000Kcal前後の場合に

は1日当り 2.0g/・の蛋白質摂取が推奨されることもある。しかし現在の調査では

、減量中の新体操選手の場合を除き蛋白質の摂取不足はみられない。むしろ動物性蛋

白質の摂取比率が50%を超えており、過剰摂取による高脂血症が運動選手にもみられ

るようになった。植物性蛋白質の利点に注目する必要がある。

BビタミンB 1・B 2・ニコチン酸・ビタミンCもエネルギー所要量に相関して

必要量が増加する。しかし現在のわが国ではニコチン酸欠乏はまれである。B 1は

加熱に不安定であり、B 2は水溶で光で分解されやすい。いずれも調理損耗率を30

%程度見込むこと。ビタミンCの平均調理損耗率は約50%である。

Cナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラルは発汗によ

り喪失が増大する。なかでも鉄は欠乏しやすい栄養素であり、特に発育期の運動選手

では男女を問わずに高頻度で欠乏がみられる。鉄欠乏による貧血は有酸素運動能力を

低下させる。鉄の代謝には複雑な因子が関与しており、難治の貧血がある場合には早

目に専門医師への相談が必要である。

D参考資料:含有量が多くかつ常用しても問題のない食品:ビタミンB 1(胚芽米

、強化米など)、ビタミンB 2(魚介類・納豆・鶏卵・牛乳など)、ビタミンC(

果実、新鮮な野菜、ジャガイモなど)、鉄(海苔、貝類など)、カルシウム(Q71参

照)

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