Q79.スパイラルテープ・キネシオテープを障害を持つ子、
ケガしそうな子に手軽に使いたいのですが、詳しい実施方法
をお聞きしたい。(アイスホッケー)
A:大変むずかしい質問です。というのはスパイラル及びキネシオテ−ピングの実体
がはっきりしません。スパイラル・テ−ピングは皮膚刺激(単に皮膚上に置いていく
ような感じで貼る)によって痛み、発揮筋力、皮膚温等に変化が生じるという事です
が、科学的(医学的)な効果のメカニズムは不明瞭です。キネシオテーピングも同様
、効果を客観的にみる科学的データはないようです。
ただキネシオテープは各種スポーツに機械的支持力があると思えませんが、一定の
伸縮性を保持したキネシオテープを異常のある筋肉の起始・停止部間に固定する事に
よって、その筋肉が必要以上に伸展又は収縮しないように補助する効用はあると思わ
れます。
さて質問ですが、各種スポーツの特種性、多数の身体部分の実施法をここで記載す
ることはできません。最近多数の書籍、ビデオが出版されておりますので参考にして
いただきたい。
最後にスパイラル・テーピング、キネシオ・テーピングは従来のスポーツ ・テー
ピング(固定)とは異なったものと考えます。「キネシオ・テーピング、スパイラル
・テーピングは効果がない」と一概に否定はしません。皮膚の張力や反射などによる
痛みの軽減や筋のリラクゼーションということがメカニズムとしてあると思われます
。又両テープによる副作用、弊害はなく心理的な効用が生理的に何かしら作用する事
も考えられます。長い時間をかけて普及してきたスポーツ・テーピングにこれらの「
テーピング」が出てきたことで、テーピングの本来の目的や意義が混乱している感じ
がします。基本的にテーピングは関節可働域の制限、痛みが生じる方向性の制限、弱
い部分にかかる負担を軽くするものだと考えます。根本的にテーピングの機能を考え
るならばその場の対症療法的志向だけでなく、解剖学や運動学を学び、正しいテーピ
ングをしたいものです。