Q86.疲労での痛みか(筋肉痛)、疾病異常での
痛みかある程度の判断基準が知りたい。
A:スポーツを契機とした痛みは、その発生機序から大きく2つに分けることができ
る。1つは外力が加わって発生する外傷であり、もう1つはトレーニングにより局所
に反復して小外傷が加わって発生するものである。前者はいわゆるスポーツ外傷で、
相手と衝突したり、地面に転倒したりで、強い外力が身体に加えられて発生するもの
である。骨折、脱臼、打撲、捻挫、などスポーツ以外で発生するものと大差はない。
一方、トレーニングが契機となって、小外傷が繰り返し加わって発生するものは、ス
ポーツ障害として、直接外力が加わって発生するスポーツ外傷と区別される。スポー
ツ障害は、使い過ぎ症候群(オーバーユース)に属するものである。
疲労での痛みとは、使い過ぎ症候群(オーバーユース)に属する。慢性、使い過ぎ
の外傷は筋肉の中でも筋腹ではなく筋肉から腱への移行部や、骨に腱が付着している
部分での痛みとして生じやすい。この部位は発育期に多い骨端線障害を主病変とする
スポーツ障害の起こりやすい部位でもあり、症状も似ているので鑑別は難しい。
明らかな外力が加わったものでなく、短期間の休養(2〜3日)で症状が軽快する
ものであれば筋肉の疲労による痛みと考えても良いかもしれない。