Ｑ89．簡単に骨折する生徒が増えているが、
その原因について。（サッカー）
Ａ：統計学的にも医療現場においても学生の骨折が特に著しく増加しているという印
象はない。但し疲労骨折及び膝や足関節の靭帯損傷は増加傾向にあると思われる。こ
れらの原因として、昔に比べ体格の向上は著しいものの、運動能力、敏捷性及び柔軟
性等の基礎体力低下により些細な動作によって外傷を受けやすいこと、又スポーツ医
学の普及による関節鏡などの診断技術の進歩が著しく診断が容易にしかも確実になっ
たことが挙げられる。又スポーツの多様化が進み、例えば野球など比較的外傷の少な
いスポーツから、サッカーのように外傷の危険性の多いスポーツへと競技人口が移り
つつあるのも原因の一つと思われる。
基礎体力の低下として考えられることは下記の如くで、この辺の改善、意識改革も
必要と想われる。
①年少児から学童期にかけて子どもの遊びの中心が室内に移ったこと。昔であれば外
で遊んでいる中で自然に体力が培われたが、現在はゲーム機などが主体で余り体を動
かさない。
②中学、高校生に関しては、１年生から受験勉強などのカリキュラムの関係で十分な
スポーツ活動が出来ない。
③食生活の変化。以前に比べ肥満タイプの子供が多い。