画像ソフト

本田整形外科クリニック 本田忠


はじめに

 今回は、オンラインで入手可能なグラフィックツールを紹介したいと思います。グラフィックツールは非常に種類が多く、また皆さんのニーズも多様で、どれが良いのかは、いちがいに決められません。まめに検索して、自分の目的にあったものを探すほかはないようです。


グラフィックの基礎

1.グラフィックデータと単位
 画像データの単位は画素(ピクセル)です。 画像データは、位置と、色のピクセル情報のかたまりです。
2.色数とカラーモード
 色は、光の三原色 RGB(Red Green Blue) です。アナログの色をデジタル化する時、赤青緑の情報をそれぞれ256階調(2の8乗=8ビット) のフィルタを通し、加色混合します。赤は(255 0 0)、青は(0 0 255)、緑は(0 255 0)、白は(255 255 255)、黒は(0 0 0)です。 これらの色で加色混合した色をフルカラー(16,777,216色)と言いますが、各色の情報が8ビットで3色分ありますから24ビットカラー(2の24乗=16,777,216色)とも言います。 256色表示は1670万色から取り出した256色のテーブル(カラーテーブル)を使って画像を表しています。フルカラーのデータを256色に変換するとデータサイズ(容量)は1/3になりますが、色情報は破棄されフルカラーには戻らなくなります。またフルカラーの画像を256色表示のディスプレイで表示する場合、当然フルカラーは表示できませんから、256色に割り当てて表示されます。うまく色が出せないところが色ボケになります。
3.解像度
 600 x 800 ピクセルのデータは 600x800 のドットを持つデータです。これに対してdpi(Dot per Inch)は、スキャナーやプリンターの入出力の精度を表します。インチ(25.4 mm)当たりのドットの数です。ドットは画素に相当します。 1インチ四方の写真を 300dpi のスキャナーで取り込むと 300 x 300 ドット(画素)のデータとして取り込まれます。 600dpi のスキャナーで取り込めば 600 x 600 ドットのデータですから前者の4倍のデータ量になります。これをディスプレイに表示しますと、ディスプレイの解像度(画素数)は一定ですから取り込んだ時の解像度が大きければディスプレイに表示される画像は大きくなります。 印刷の大きさはと言いますと、解像度の問題ではなく、印刷寸法で決まります。スキャンしたデータを印刷する場合にインクジェットプリンターではプリンター解像度の40〜50%で取り込めば十分です。 これは噴射ノズルを単純にON/OFFする機構上、複数のドットの組み合わせで色や濃淡の階調を表現するためそれ以上の高解像度は必要ありません。 ただし、1ドットで階調を表現する昇華型プリンターでは解像度が高ければ高いほど、奇麗な出力になります。
4.ファイルフォーマット
 画像データも、通常のファイルと同じく、たくさんのファイルフォーマットが存在します。画像形式で一般的なのがBMP形式やGIF/JPEG形式。BMP形式はWindows 3.1のころから使われてる形式です。GIF/JPEG形式はインターネットで利用されている形式で、BMP形式に比べてファイルサイズが小さめになります。そのため最近はGIF/JPEG形式が利用されることが増えてきています。インターネットでは標準です。Macintosh標準画像形式のPICT形式や、PCDというPhotoCD用の画像形式などがあります。これ以外にも、特定のOS(基本ソフト)やソフト、デジタルカメラで使われるTIFF/MAG/MKI/P2/SJ1形式など、多くの画像形式があります。
BMP (.bmp)  MS-DOS,Windows,OS/2 で使用される標準的な形式です。
GIF (.gif)  256色までしか情報を持てませんが、色数が少ない画像では効率よく圧縮してくれます。
JPEG (.jpg)  フルカラーでデータ格納の効率の良い圧縮画像形式です。 同じファイルを何度も圧縮すると画質が悪くなる可能性があります。 インタレースをサポートしたプログレッシブ JPEG などがあります。
PICT (.pct)  Machintosh 用標準ファイルフォーマットです。 主に画像表示用。
TIFF (.tif)  印刷用の画像フォーマットです。 あまり圧縮しない分画質が保持されます。
インタレース:モザイク状の画像から表示し、徐々に精細度を増していく展開方法です。


グラフィックツールの種類

 画像処理ではいろいろな作業が発生します。各々に特化したソフトがありますが、その差異は、厳密に分けられるものではなく、それぞれ、オーバーラップしています。
1.ペイントソフトとドローソフト
 グラフィック作成ツールにはドローソフトとペイントソフトがあります。ドローソフトでは、グラフィックスを画素の集まりではなく、直線や曲線を表す数値データとして扱います。ペイントソフトでは、画素の並びで図形を表現しています。
2.レタッチソフト
 レタッチソフトは画像加工専門のツールです。デジタルカメラやスキャナから撮り込んだ画像のノイズを除去したり、明るさやコントラストの調整を行います。また画像に修正を加えたり合成したり、拡大縮小ができます。高機能のペイントソフトではこのレタッチ機能を備えたものが多くなっています。
3.画像ビューワ
 画像表示専門のソフトです。多くの画像形式に対応していろいろな画像を表示できます。表示してる画像を拡大・縮小したり回転させる機能。また、複数の画像を、スライドを連続して映すように一定間隔で表示する“スライドショー”機能や、1つのフォルダ内の複数画像を矢印キーを使って連続表示する“連続表示”機能などもあります。画像の大きさや色数を確認する時は欠かせないツールになります。画像表示用と言っても色数や画像サイズを変更したりファイルフォーマットを変換する機能を備えたものが多いようです。
4.キャプチャーソフト
 画像取り込みのためのツールです。キャプチャーは画面コピーのことで画面に表示されているイメージをそのまま画像に落します。資料作成やホームページ作成でパソコンの画面をそのまま画像ファイルに落としたい時に便利なツールです。


主なグラフィックツールの機能

1.マスク
 マスクを使うと複数の画像の部品を組み合わせた画像を作成することができます。たとえば背景を変えた画像に自分の画像を合成することができます。また透かし合成や、256階調の濃淡で曖昧な合成画像を作成することもできます。
2.レイヤ
 レイヤとは透明なシートに画像を書いて重ねるようなものです。 レイヤを使うと下書きを表示しながら実線を入れたり、背景と人物を独立して編集することができます。画像の一部ごとにシートにしておけば、間違って書いてしまった場合、間違ったレイヤだけで書き直せば済みます。 いくつかの試し書きを比較検討して画像を仕上げることもできます。
3.フィルタ
 フィルタを使うと画像に特別な効果を与えることができます。 たとえば、輪郭を抽出したり、画像をゆがめたり、シャープにしたり、 ぼかしを入れたり、モザイク効果を適用したり、ノイズを調整したり 、さまざまな視覚効果を作り出すことができます。エフェクターとも言います。 4.画像の回転
絵の向きを360度自由に変える
5.色変換
絵の中で使ってる色を別の色に変える
6)アンドゥ機能
直前に実行した作業を取り消す
7)サムネイル
 元データを縮小した画像データを作り、画面上のアルバムに貼り付けて一覧表示できるデータベースソフト。
8)ヒストグラム調整
 デジカメで撮影した画像の中には、思ったより暗く写ってしまった画像が時々あります。これは「露出アンダー」と呼ばれる状態です。フォトレタッチソフトで画像の明るさを整えることができますが、白く飛んでしまった部分には情報が無いため、それ以上補正しようがありません。したがって、白飛びを押さえるため、安全を見込んで「露出アンダー」となる設計のデジカメが多いようです。ヒストグラムとは山型のグラフのことをいいます。グラフの左端が明るさ0%の黒、右端が明るさ100%の白となっており、山の高さがピクセル数となっています。ヒストグラム調整の場合は、0%の黒を保ちながら全体の明るさを上げることができます。


実際のソフト

1)ペイントソフト
Hyper-Paint v9.0V
 日本語ペイント・レタッチソフト。BMP/JPEG/TIFF/Q0/RGB形式の画像ファイルの読み込みと保存ができ、「Susie Plug-in」を用意することで、PIC/PICT2/MAG/XLD4形式の画像ファイルも編集できる。20種類以上のフィルターを利用して画像のレタッチ操作ができる。レイヤー機能、トレーシングペーパー機能、指定した色の部分みペイント不能にするマスク機能など、豊富な機能をもっている。
Susieの部屋 Susie for Win32
 プラグインを追加することでさまざまな画像形式に対応できる。標準機能のBMP形式のほか、プラグイン「Susie Plug-in Package」を追加すればJPEG形式やPIC形式、MAG形式などの画像が見られる。多くのプラグインがインターネット上で公開されている。音声ファイルや、動画ファイル再生用のプラグインもある。またほかの画像系ソフトでも使えるのが特徴。
Pixed フリー
 256 色専用のグラフィックエディタです。 BMP、GIF の読み書きができ、256 色の加工に特化しています。レタッチソフトが苦手とする、アイコンのような小さな画像や、輪郭のはっきりし画像を得意としています。レイヤー能や透過機能もあり細かなドット表示が出来る。


2)ドロー系
ISIS/Draw Help
 分子式が描写できる化学系の学生・研究者向けのドローソフト。ベンゼン環から高分子に至るまで分子式や構造式が簡単に描けます。
アミノ酸などよく使うものはあらかじめ登録されているテンプレートから選択できる。「Chem-Inspector」という化学式チェッカー(ワープロにおける文法チェッカー) も付属している。海外ソフトだがKanjiバージョンをダウンロードすれば、メニューが日本語になり、日本語入力も可能になる。Macintosh版も配布され、作成したファイルをやりとりできる。

3)レタッチソフト
GV v0.85
 BMP形式やGIF/JPEG形式のほか、TIFF形式やPCD形式など26種類の画像形式に対応してスライドショー機能も ある。
IrfanView32(イーファンヴュー) 日本語版
 画像ファイルを表示するだけでなく、音声ファイルや動画ファイルを再生することもできる 複数の、同一形式の画像ファイルを別の画像形式にいっぺんに変換する“画像の一括変換”機能もある。
Photoshop 市販 約 \100,000.
プロのデザイナーの間ではほぼ標準となっているソフトです。 柔軟な領域選択やカラー調整、レイヤやヒストリ機能といった標準的な機能は当然押さえてあります。レイヤ間の演算付き合成や数多くのフィルタは使い切るのが難しいほど揃っています。およそ Photoshop にあってほかのレタッチソフトにない機能はないといってよいです。

5)キャプチャーソフト
HyperSnap-DX 3.10.00
 Windows用の画面キャプチャソフト。
動画キャプチャー v1.1
画面上を連続的にキャプチャーすることにより、後で動画のように再生する事が出来ます。

6)画像変換
Picture Exhibitor v3.90
ディレクトリ内の画像データを管理する.ファイルをまとめてコピー・移動・削除。画像データ(GIF,BMP,JPEG,ICO,CUR,ANI,AVI,XBM,XPM,その他)への簡単一括変換。 シェアウェア \1,000

7)その他
Album蔵衛門
 デジカメで撮った写真など画像をサムネイル表示できそれぞれにコメントなど付けて保存できる.これはフリー版ですが製品版もあり。
Emilie 1.5  
たまった画像を徹底的にキチンと整理・整頓し、スライドショウも楽しみたいという人なら 画像を主体としたマルチメディア全般の管理ができる統合画像管理ソフト
ART Image Master 3.3
 画像の取り込みから画像ファイル管理、さらには画像の加工やレタッチまでを網羅した、総合画像管理ソフト。


まとめ

 じつに多種多様なソフトがあります。自分の使用目的にあったソフトを選んでください


参考文献

画像の基礎
VectorのWindows用画像関連ソフト
「窓の杜」のWindows用画像関連ソフト
Yahoo! Internet Guide - 1999/10特集:オンラインソフトベスト200


○一般的な画像変換ソフト
▼WINdow
1)ペイントソフト
Hyper-Paint v9.0V
Susieの部屋 Susie for Win32
D-Pixed
2)ドロー系
ISIS/Draw
3)レタッチソフト
GV v0.85
IrfanView32 (イーファンヴュー) 日本語版
5)キャプチャー
HyperSnap-DX 3.10.00  Windows用の画面キャプチャソフト。 
動画キャプチャー v1.1
6)画像変換
Picture Exhibitor v3.90 シェアウェア \1,000
7)その他
Album蔵衛門
Emilie 1.5
ART Image Master 3.3

▼MAC

ソフト分野別
Macintosh系のグラフィックソフト
Macを使って図や絵を作成する時に必要なことがら

○医学関係
医用画像工学関係情報 画像再構成
医家向けソフトウェア グラフ
フリーソフト,シェアウェアの詳細 研究補助
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研究者の為の Free Soft
▼DICOM Dr.Razz,NIH Image,Osiris
オシリス DICOM仕様の画像ファイルのJPG等への変換ソフト。マックでも当然うごく
放射線関連リンク集 Dr.Razzその他はここから
NIH Image Japanese User's Page
Scion ImagePC beta 3b
Macintosh用の「NIH Image」をベースにしてWindowsに移植されたもの。 様々な画像修正はもちろん、角度測定や任意2点間の濃淡のグラフ化などが可能。
OSIRIS :Geneva大学で開発されたDICOM viewer。
Dr.Razz:Mac 用のDICOM viewer
dicom2 DICOMコンバータ。フリーウェア。Windows95/NT, Linux, SunOS/Solaris 版がある。