21世紀の医療情報、IT革命は医療をどう変えるか

 本田整形外科クリニック 本田忠,平成12年11月7日仙台


総論

1)定義 IT とは?

InformationのI、TechnologyのT、すなわち情報技術の意味です。

革命 とは不連続性の変化、物の考え方の変化、仕組みの変化

ネットワークとは、Netとは、網、Workとは、仕事 したがって、Networkとは、網の目のような状態で仕事をする。上も下も患者も医師もスタッフも網の目のようにつながっている様子、状態 。

ネットワークのキーワードは双方向性と情報の共有化である。

Internetとは情報をデジタル化したものをお互いに、共有したり、 協働して使用できる道具。

LAN = Local Area Network

WAN = Wide Area Network

Home Pageとは医院や組織などで発生するあらゆる情報を一元化できる道具。

2)特徴

双方向性と、情報の共有化により組織の活性化と意思決断が迅速になる。 組織はひとつの有機体になる。

双方向性:組織の構成員からの情報を吸い上げる。

情報の共有:同じ情報で考える

3)結果

ネット上に民主主義的空間ができると同時に以下のことが起こる

ア)大量迅速な情報が発生する

 意見が双方向性で流れる。公的私的を含めて大量に流れてくる。情報の共有

イ)すべての組織や個人は批判に晒される。

ウ)医院内や組織内の徹底した合理化。

 時間空間関係なく毎日討論する。組織の一体感が増す。個人批判も出やすいが、 均質化も同時に起こる。即断即決でないと周りの状況に対応できない。小回りのきく 組織が出来る。

エ)倫理観

 国民の尊敬が得られない組織や制度は確実につぶれる。徹底した明確な倫理観 と論理。直接民主主義の多事争論の世界。あるのは倫理観と論理だけ。個人で自 由に情報発信するということは、当然、社会的責任も伴う。影響力を保つには信 頼感を維持させなければいけない。

オ)情報公開:有効な宣伝をするにはどうするのか

 インターネットをとことん有効に利用して、マスコミへの有効なカウンターパ ンチになりえるような、情報公開を率先して行うべきである。 患者さんを味方につけれない医療は崩壊する

より精しくは総論をお読みください

インターネットの基本的考え方(初心者マニュアル)                    


医療保険制度と介護保険

 高齢少子化社会や、高度先進医療をどうするのか、国や、日医、県医、市医、学会、多くのレベルでネット上で日夜、討論が行われている。制度や組織がより透明性を増していく。 どのレベルの組織も、倫理観が要求される。また問題に対する対策も迅速に変わることになる。

1)高齢化社会への対策:独立型か突き抜け型高齢者医療制度か(75歳、消費税)、

2)高度先進医療への対策:自立投資(医療のパイの増大、患者負担の増加)

3)混合診療の拒否、出来高の堅持、市場開放論批判

4)電子保険証(健康保険証と身分証、銀行カードが組み込まれる)

5)レセプト電算化

6)個人情報保護(健診、一患者一カルテ、一地域)

7)情報公開 明細書の発行、無診察診療

8)介護保険

 利用率が低いのは収入によって分けていないせいか。一割負担による一時的なものか経過を見る必要がある

在宅の伸び悩みと、通所サービスの増加。施設のキャパシテイの限界。 介護度認定が厳密すぎる。介護判定は単純でよい

望ましい介護情報ネットワーク:医師会とは異り、地域の業者団体の協議会やや自治体が受け皿になるべき

在宅医療情報ネットワークの構築


診療体制

  医療保険制度は国による管理医療なので、医療においては、なかなかIT革命のメリットは出せない。経済的インセンティブがないともいえる。また零細な医院が多くレセコンなどの普及もまだまだ不充分である。医師の高齢化もある。厳しい状況である。カルテなど一次情報のデジタル化により、患者サービスの向上、医療の質の向上を図る必要がある。また情報の一元化により、情報が共有でき、より緊密な病診連携が可能となる。

1)電子カルテ: 一次情報のデジタル化

2)病診連携:バーチャル総合病院(グループ診療の発展系)を作りましょう

3)情報公開准看問題、中小病院の質を上げるために


医師会(15万人/24万、60%)

 日医の組織率は若干増えてきている。勤務医と開業医の比率は5:5である。もはや開業医だけの団体ではない。大都市では組織率が低下してきている。ネットワークの構築により、広域化し、より民主的、効率的な運営を図る必要がある。

1)地域医療情報ネットワーク(二次医療圏、全組織)

二次医療圏を単位としてすべての病院、医院が参加しなければいけない

すべての一次情報はデジタル化しなければいけない

すべての病院は常時接続しなければいけない

2)バーチャル医師会、委員会、理事会

 経費削減、合理化、無診察診療

3)全国ネット:全国で有用なネットが育ってきている。これをより参加者を増やしていかなければいけない。

4)情報公開:有効なプロパガンダは、情報公開である。郡市医師会ネットの横の連絡網の構築にも必要である。積極的な情報公開をする。

精しくはここをごらんください


○その他

1)学会のネット(EBMは学会主導で)

概念基本的にはシステムは医師会ネットワークと同様である。ただ役割は若干異る

実際のシステム

2)災害情報ネット(情報の集中化)

災害情報システムを考える

災害情報ネット

実際のシステム